鈴木智彦著『サカナとヤクザ』補稿

新刊の資料、補足、写真、こぼれ話。

第二章 東京・築地市場

ターレーを自家用にしたい人、俺の他にもいるだろう。

ターレーってのは、ターレットトラックという意味で、戦車の砲塔のように駆動部(前輪部分)がグルグル回転するからです。なのでものすごく小回りがきき、狭い冷凍庫の中でも方向転換が出来きます。 築地にはまだガソリンターレーも残っていて、大坂では地元…

築地の魚河岸のナンバーワン食堂

そりゃあ吉野屋の1号店でしょう。異存あるまい。狂牛病騒ぎの中でも牛丼の提供をやめなかったらしい。銚子市に観光行って肉を食う逆張りはイラッとくるんですけど、魚河岸で肉を食うのは、ここで働いてる人間のチョイスに乗っかってみるという雰囲気があって…

築地と豊洲に関する議論って、根本的にずれてないすかね?

たとえ4ヶ月でも、たとえバイトでも、魚河岸で働くと豊洲への移転について、ひとこと言いたくなるんだけど……仲卸の家賃安すぎるでしょ。具体的にいくらか書籍にもここにも書かないけど。 「築地移転問題 そもそも中央卸売市場が必要なのか」アジア成長研究所…

会社の重役とどうやってサシ飲みするか。

会社っていっても仲卸です。重役といってもアワビを扱っている魚屋さんです。いや、でもすっごい年商で、経営に噛んでる血族それぞれウン千万くらいの年収がある。社長の跡取り(甥っ子)は魚河岸を見下ろせるタワマン住んでるし。 ま、それはともかく、俺は…

魚河岸とヤクザ

魚河岸のとヤクザがどれほど深い仲だったのかは、昭和の映画を観るとよくわかります。この美空ひばりの主演作は今風にいえばアイドル映画だろうけど、日本侠客伝関東編は、魚河岸を舞台にしたガチのヤクザ映画です。魚河岸にヤクザがいても、誰一人驚かなか…

魚河岸の親分、佃政こと金子政吉

佃政初代は、元来、日本橋の親分です。魚河岸が日本橋にあった頃からの縁だったはず。築地には「佃」の字を使った屋号が多いけど(理由はググると死ぬほど出てきます)、ヤクザもそうだったというのは面白いですよね。たぶん、みなさんが思ってる以上に大親…

大物は築地の華である。

記事のタイトルは、正延哲士の小説『伝説のやくざ・ボンノ』の有名な一節、「ボンノは、男の華である」オマージュです。実際、そう表現しても異存はなかろう。大物って言うのはマグロです。大きいからだと思います。知らんけど。第二章に、年末、俺が大物の…

密漁アワビと訴訟対策

築地市場で密漁アワビを売ってるかどうか確かめる!ってことでバイトを始めたんですけど、実を言うとすぐ分かったんですよ。あ、黒だなって。ぬるいんで。ただし、告発したいわけじゃない。動かぬ証拠を掴んで、糾弾したいわけじゃないんです。なので、途中…

築地市場の落書き

築地市場にはあちこちに「煙草を吸うな」「落書き厳禁」という張り紙があるんだけど、誰もがくわえ煙草で、そしてあちこちに落書きがあった。これは勝ちどき門にある駐車場ビルの中央にあるターレー用のエレベーター。4機あるんだけどいつもひとつか2つ壊れ…

落ちないのかなって思いませんか?

落ちるんですw 当然、落ちたよーって声をかけます。冷凍マグロだけではなく、発泡のケースも落ちます。カーブじゃなくても落ちる。高く積み上げた時、崩れないようラップを撒く時があるんですけど、それをしないほうがかっこいい、みたいなところはある。で…

築地魚河岸にある、恋人を連れて行きたい場所

それは冷凍庫です。マイナス18度より低いっす。密室に連れ込んでスケベなことをするわけではないw じゃあどうしてか。すっごくいい匂いがするんですよ。仕切りに使ってる木材と海産物の匂いが入り交じって。芳醇なウイスキーを連想させるような、最高の香り…

鮭のドレスとスーパー・バイトの加藤君(仮名)。

第二章で出てくる鮭のドレス。ドレスとは魚の頭、エラ、内臓を取り除いたもののこと。この箱の中にドレスが4~6匹分入ってるんだけど、いったん取り出し、電動のこぎりで二枚下ろしにして、再び箱詰めして配送場所に運ぶ。これが午前2時に出社して、最初にや…

築地市場の暴力団との決別宣言は2つあります。

最初は平成6年だから、たぶん暴対法が施行(平成4年)された直後、利権が欲しい警察が築地に乗り込んできて書かせたものだと思う。 もうひとつは平成24年だから、東京都の暴排条例に合わせて出されたんだろう。事務室の廊下に2つ貼ってある。こんなもん、俺…

魚河岸の仲卸に面接に出かけた朝は雨だった。

写真のExif情報をみると2013年12月19日‏5:56:16とある。面接は6時からだったんだけど、仲卸の跡継ぎが15分以上遅刻してきたので、仕方なく雨の中で待つことになった。しかしすごいよね。携帯で写真撮るだけで、そんなことまで記録され、自分の記憶がありあ…