自著のための補稿(鈴木智彦)

自著の資料、補足、写真、こぼれ話。

2020-01-01から1年間の記事一覧

我が家のお隣さんは、ピアノ教室に水産庁【024p】

団地住まいだった俺の夢は、一軒家だった。マンションは暴力団の嫌がらせに対処しやすいのだが、どうしても戸建てがよく、30才の時、建売住宅を買った。70坪程度の敷地を持つ古い家が売却され、更地にして三軒分に分割し、スペースを最大限に生かして分譲住…

ピアニストの文学者、ヴァレリー・アフェナシェフ【005p】

youtu.be ヤクザのことはいきなり書ける。俺の中には25年分の蓄積が澱のように溜まっている。それらをすくいあげ、味付けすれば、ヤクザのあらゆる面を描写できるはずだ。ただし、ヤクザというドアを使って他の分野をのぞいた時……それは前々作である『サカナ…

ハンガリア舞曲第5番【P003】

youtu.be 真駒内小学校の六年生だった時、学芸会で音楽合奏をすることになった。担任の教師のたっての希望だった。そのときに演奏したのが、ブラームス作曲の『ハンガリア舞曲第5番』である。実を言えば、このほか当時大ヒットを連発していたピンクレディの…

教会と日曜学校【P003】

俺が育った道営住宅Bー8団地 小学校から高校を卒業するまで、札幌市南区真駒内上町二丁目の道営住宅で育った。 上町は富裕層と低所得者層が混在する特殊な町だ。 中学の深田という社会の教師は、「ここは札幌で唯一のスラム街だ」とよく嘲笑っていた。歴史のな…