自著のための補稿(鈴木智彦)

自著の資料、補足、写真、こぼれ話。

『ヤクザときどきピアノ』難読部分解説動画、および解説

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音楽を文章で表現するのはむつかしい。やってみせれば一目瞭然なのに、それを文字で解説すると、文章力がない上に、普段、やっていない分野なのでとっちらかる。『ヤクザときどきピアノ』にもずっとわかりにくいと気になっていた記述があります。はてなブログには動画を貼れないのでYouTubeにアップしたのだが、俺のチャンネルを登録してた人が60人もいてぶったまげましたw そのアカウントは削除しちゃったのだが、この記事の動画が無いと困るので結局、別のアカウントをつくってまた上げた。

ともあれ、これじゃわかんないよなと思っていたのはP129です。

「ピアノで左右の指を別々に動かすための訓練・・・・・・ レイコ先生は、耳で音を追わず、一小節ずつ細切れにして、まずは楽譜の縦の線を揃えた指運びだけ覚えるよう指示した。具体的にどうやって練習するのか….....といえば、ひたすら一小節を細かく割っていく。 たとえば〇・一秒単位に分割し、 〇・二秒後は右手の指がどの鍵盤の上にあって左手の指がどこにあるか暗記し、○・三秒後はこう、〇・四秒後はと続けて暗記する。そのくり返しによって一秒を完成させ、さらにまたくり返すことで十秒、二十秒と延ばし、十本の指がそれぞれどう動くかをすべて暗記する。これを完成させると、まるで左右の手がそれぞれ見事に別のメロディーを弾いているように見える。当人は、指をくり出す順番を機械的に暗記しているだけに過ぎなくても」

楽譜で言えば以下の部分になります。演奏開始直後、いきなり訪れる高い壁!

『ダンシングクイーンの楽譜』は、レイコ先生が音を削ってアレンジしてくれたものです。

もう弾ける気がしなかった。一小節の中が宇宙過ぎて。
実際、右手のパートを歌いながら、左手のリズムを合わせてもできない。
なのでレイコ先生は、一小節ずつ、どっちの指で
鍵盤をたたくか、その順番とタイミングを機械的に覚えるよう指導してくれました。で、できたんだ。人間ってすごい。いや、ピアノの先生ってすごすぎる。

レイコ先生は、生徒によってまるで別人のごとく声色を使い分けるので、この声は成人男性用なんだと思いますw