自著のための補稿(鈴木智彦)

自著の資料、補足、写真、こぼれ話。

第一章【岩手・宮城 三陸アワビ密漁団 VS 海保の頂上策作戦】の扉写真

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実際、『サカナとヤクザ』第一章の扉で使った写真は、ここにあるウニとナマコを隣のテーブルを移動させ、アワビの皿だけを撮った別テイクです。皿に載せられたアワビの刺身……そして担当編集がつけた「アワビの密漁はヤクザのシノギ」というどーでもいいキャプション。第一章の顔ともいうべきページが普通&普通になっているので、どうしようかものすごく悩みました

いや……実を言えばここの写真は普通ではないんです。撮影したのは、とある密漁団が経営している直営店です。なので写っているのはガチの密漁アワビ(ウニとナマコもヨコモノ←密漁品)というわけ。事情を知らずにみればただのお料理写真だけど、実際はたいへん危険な冒険をしていますw

 その事情を書きたい…しかし余計なことを書いて店が特定されるとまずい……そもそも皿でばれるかもしれない。結局、実を言えばヤバい写真を、よくあるどーでもいいキャプションで使用することに決めたんです。どういう判断なのか自分でも悩みます。時間がなかったので頭が回らなかったというのが正直なところです。

ま、ここに書いたら意味ないんですけどw

勘定はこれで1000円でした。見ての通り、ウニはもう溶け始めていました。

この店にも地元テレビ局が取材にくるんだそうです。地方新聞やローカル局は、地元密着をウリにしてるわけですが、現状、地元のインチキを見てみぬふりすることになっているように感じます。地方紙のマスコミ魂に、過剰な幻想を抱いている俺は、いつも裏切られてばかりでちょっと悲しいです。