鈴木智彦著『サカナとヤクザ』補稿

新刊の資料、補足、写真、こぼれ話。

著者近影

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築地の仲卸でバイトを始めた時、みるものすべてが新鮮で、あっちこっちに「遊びに来て!」と声をかけていた。いや、実際に来られてもバイト風情が提供できる特別サービスはないんだが。ただし、ターレーの後ろには乗ってもらえた。混雑した市場の中、たとえ誰を乗せてもスイスイ走れる程度には上達していた。

本来、荷台には人が乗ってはいけないらしい。が、築地でそんなことを気にしているヤツはいない。時々市場の奥まで迷い込んでいる観光客が、重そうなスーツケースを押していると、「乗りなよ」と声をかけ、荷台に乗っけて送った。今時、知らないおっさんが車を停め、車に乗るよう声をかけても、ほぼ100パーセント断られるばかりか、警察に通報されるだろう。しかし場所が築地で、乗り物がターレーだと、老若男女断る人はいなかった。そう考えると不思議な場所であり、乗り物だ。でも分かる。だってターレの後ろに乗ってみたいよね。

友達の古賀大郎さんが遊びに来た時、彼はカメラマンらしくフルサイズの一眼レフを持参していた。ターレーで家族を正門まで送ったあと、この写真を撮ってくれた。俺はもともとカメラマンなので、著者たちがカメラマンが取材で撮ったであろう写真をもらいうけ、好き勝手に使い回しているのがすごく嫌である(クレジットくらい入れるべきだろう)。当然、『サナカとヤクザ』に使ったこと写真にはクレジットを表記し、ギャラも支払っている。

ところが…見本が刷り上がって写真をみたら、古賀さんの名前が「太郎」に誤記されていた。俺がゲラを読んだ時にはまだクレジットが入っておらず、直接確認はしていないんだけど俺のせいです。古賀さん、ごめん。増刷になったら必ず直します。

 

聞き書き 築地で働く男たち (平凡社新書)

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魚河岸盛衰記 (1962年)

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