自著のための補稿(鈴木智彦)

自著の資料、補足、写真、こぼれ話。

ナマコ

やっとまともな取材ができた漁協の関係者

ひやま漁協の元組合長である市山亮悦さん 市山さんは北海道の漁協関係者じゃ有名人だったので、インタビューには応じてもらえないかと思っていた。連絡先を調べ、電話を入れ、これまで何度も漁協に取材を申し込んだが断られたことも話したら、「そりゃそうだ…

押収された密漁団の道具はすべてが当人に買い戻される。

テレビでナマコ密漁団の使う独特な道具をみたことがある方もいると思います。海上で一切、ライトを使わない彼らは、台所用のザルに防水ライトを結束バンドでくくりつけている。かっこわるいが安いし使い勝手がいいそうです。 現行犯逮捕はブツ(密漁した海産…

漁協の取材に密漁団がついてきた。

北海道では、噴火湾のナマコは枯れないんだそうです。生物学的に裏が取れなかったので本には書かなかったけど、密漁団はそう言う。だからまず最初は噴火湾の漁協に取材を申し込んだ。実をいうと、このエリアの漁協は排他的で、気が荒いと言われてます。密漁…

ダイバーがナマコを入れる玉ねぎ袋

北海道檜山郡上ノ国漁協で撮影 ナマコ漁は、桁引きと潜水の二種類があります。前者は船の上からどでかい鋼鉄製の熊手を落とし、それを引っ張って海底をさらう漁法です。岩礁地帯ではできません。そうした場所では潜水で獲ります。漁協が潜水部会を作るか、プ…

黒いあまちゃんとの再会

黒いあまちゃんとは5年後に再会しました。俺は最初の出会いの時、彼女のことを週刊誌に書かせてもらった。『サカナとヤクザ』には再会時のエピソードも載っている。でも、ほんといえば、書かなかった部分がある。俺は彼女をもう一度呼び出しているんです。 …

海上保安部と漁協

密漁は海の犯罪だから、どうしても海上保安庁に取材しなくてはならない。実際は警察も密漁を取り締まれるんだけど、海のプロの話が最も詳細、かつ面白い。ところが海保に正面から取材を申し込むと、まぁ役所はどこもそうだけど、取り締まりの現場を全然知ら…

第一章【岩手・宮城 三陸アワビ密漁団 VS 海保の頂上策作戦】の扉写真

実際、『サカナとヤクザ』第一章の扉で使った写真は、ここにあるウニとナマコを隣のテーブルを移動させ、アワビの皿だけを撮った別テイクです。皿に載せられたアワビの刺身……そして担当編集がつけた「アワビの密漁はヤクザのシノギ」というどーでもいいキャ…